すっかり肌寒くなって、セーターやコートを着る日も増えてきましたね。冬将軍の到来も、もうすぐです。
紫外線や汗などのダメージを受けていた夏と違い、秋冬は冷えや乾燥が肌ダメージの主な原因。夏ダメージからの回復を急ぎ、秋冬に備えましょう。
そこで、いま注目したいのが美肌づくりの栄養素・ビタミンA。ビタミンCやB群と比べると、あまり馴染みのないビタミンAですが、実は美容にとても重要な栄養素です。
この時期すでに乾燥が気になっている方、お肌の調子が思わしくない方は、もしかしたらビタミンAが不足しているかも知れません。
今回は、なぜお肌にビタミンAが大切なのか、冬の美肌づくりに、どのようにビタミンAを摂取すれば良いか、詳しくお話しします。
美肌づくりの味方、ビタミンAとは?
ビタミンAって何? どんな食材に多く含まれるの?と言われて、すぐにピンとこない方も多いでしょう。
ビタミンAは、動物のレバーなどに多く含まれる、脂溶性ビタミンの一つです。厚生労働省の定める栄養機能表示でも、「ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です」とあるとおり、皮膚や粘膜の細胞分裂を助け、正常に保ったり、その免疫力を高めたりする栄養素。
健康面では目に良いとされますが、美容面では肌のターンオーバーをスムーズにする働きで注目されています。
一般的にはビタミンAと一言で表現されますが、実はレチノール、レチナール、レチノレイン酸の総称です。特にレチノールは、医薬品や医薬部外品の化粧品などでもよく目にするのではないでしょうか。シワ改善のエイジングケア成分として、大変人気があります。
ビタミンAが不足すると。肌荒れや乾燥、免疫力の低下により、ニキビなどのトラブルにもつながります。
特に秋冬は、冷えや乾燥が原因となって肌のターンオーバーが停滞しやすい時期。ビタミンAをしっかり摂取して、冷えや乾燥に負けない肌を作っていきましょう。
ビタミンAは、どうやって摂取すれば良いの?
外用剤としても有効なビタミンAですが、肌から浸透する量はごくわずか。できるだけ、毎日の食事から栄養として欠かさず摂取するよう心がけましょう。
レバーとうなぎはビタミンAの宝庫ですが、毎日食べるのは大変。そこで注目したいのが、「β-カロテン」。主にニンジン、ホウレンソウなどの緑黄色野菜にも多く含まれている成分で、体内でビタミンAに変換される“プロビタミンA”の一種です。
ビタミンAが多い食品
にんじん パセリ バジル たまご(卵黄に豊富) ほうれん草 しゅんぎく |
鶏肉・豚肉・牛肉(特にレバーに豊富) あんこうのきも うなぎ(特に肝に豊富) ほたるいか(生) ぎんだら モロヘイヤ |
ビタミンAは油に溶ける性質があるため、炒め物や揚げ物など、油で調理されたものを選ぶか、マヨネーズやオイルドレッシングなどと一緒に摂るようにしましょう。特に、もともとβ-カロテンを含んでいるオリーブオイルはオススメです。
外食やコンビニでも、効率的にビタミンA摂取!
とはいえ、緑黄色野菜やお肉、卵を毎日続けて摂るのは、忙しい人、自炊派でない方には少し難しいかも知れません。外食やコンビニ利用の多い方でも、ビタミンAを効率よく摂取できるメニューをご紹介します。
たとえばお惣菜ならほうれん草のバターソテーやおひたし、レバニラ炒め、春菊のナムル、パンプキンサラダなどをチョイス。カップ味噌汁なども、人参の入ったものを選んだり、ゆで卵や温泉卵をプラスするのも手軽ですね。
ちょっと贅沢したいときは、うなぎやあなごのお弁当も良いでしょう。その際も、サラダなどで緑黄色野菜をプラスすると栄養バランスが取れますね。
少しだけ注意したいのは、ビタミンAの過剰摂取。脂溶性ビタミンのため、体に蓄積しやすい性質があります。摂りすぎは体調不良を引き起こすことがありますので、毎日の食事で適量を摂取するようにしましょう。
しかしβ-カロテンはたくさん摂取しても、体に必要な分しかレチノール(ビタミンA)に変換されないので、過剰摂取が気になる場合は、緑黄色野菜などからβ-カロテンを摂取するようにしましょう。また、活性酸素から体を守る抗酸化の働きをすることも分かっているので、若々しさを保つため、積極的に摂りたいですね。
いかがでしたか? 今回は、肌づくりに欠かせないビタミンAについてのお話でした。美しい肌作りは健康づくりから。バランスの良い食事がすべての基本です。
化粧品による外側からのケアと違い、肌の生まれ変わりは一朝一夕にはいかない長期戦。冬の美肌のために、今から早めに取り組みたいですね。
これから、パーティや会合の増える季節ですが、日々の食生活がしっかりしていれば、特別な日も思いきり楽しめるでしょう。今日のランチは何を食べようかな、と考えるときのヒントにしていただけると嬉しいです。