2019.01.31

「無添加=安心」?
化粧品の添加物は悪者なの?

curator
Hadamanma編集部

お肌に直接つけるものだから、化粧品は安全なものを使いたいですね。

化粧品をどれにしようか迷った時、「無添加」の文字に惹かれたことはありませんか。

ナチュラルなデザインのパッケージに「添加物不使用」と書いてあると、余計なものを使っていなくて安心という印象を持つ方もいらっしゃることでしょう。


でも実際は、無添加なら絶対安心で、添加物は悪いもの!とは言い切れないのです。


言葉のイメージだけに振り回されないように、今回は「無添加」や「添加物」をテーマに、少しだけ化粧品の裏側に迫ってみましょう。


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●そもそも、「添加物」「無添加」って何?

●なぜ、美容成分以外の「添加物」を入れるの?

●「無添加」でも安全…とは限らないかも!

●「天然成分=やさしい」わけじゃない?

●大切なのは、「自分に合うもの」を知ること!


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もともと「無添加化粧品」とは、ある特定の成分を使用していない化粧品を指す言葉でした。美容や健康のお話に詳しい方は、「表示指定成分(旧指定成分)」をご存じかも知れませんね。


「表示指定成分」とは、体質によってアレルギーや肌トラブル等を引き起こす可能性があるとして、1980年に薬事法で、化粧品パッケージへの表示が義務付けられた成分のこと。


本来は、トラブルを起こしやすい人が注意するためのものでしたが、表示指定成分無配合を売りにした「無添加化粧品」のPRのために、表示指定成分は人間にとって大変危険なものだ!というイメージが拡がってしまいました。


添加物=悪というイメージ、あなたもありませんか?

「無添加=安全」「添加物=悪」というイメージも、ここから始まっているのでしょう。表示指定成分の制度は2001年に廃止されていますが、そのイメージだけが根強く残り、今でも「旧指定成分」と呼ばれ避けられる傾向にあります。


ではなぜ、すっかり悪いイメージがついている添加物(旧指定成分)が、今でも使われ続けているのでしょうか。




わざわざ「体質によって肌や体に悪影響を及ぼす可能性のある成分」なんて、どうして化粧品に添加物を入れるのでしょうか。


本当に肌に良い、美容成分だけで化粧品を作れれば理想的ですね。しかし実際は難しいもので、それではすぐに腐ったり、臭いが強かったり、成分が分離したりと、いろんな問題が出てくるのです。

臭くて使用感の悪い化粧品では、毎日のスキンケアがストレスになりますし、どんなに良い成分ばかり集めていても、腐ったり変質したりしたら意味がありませんよね。


そこで、品質安定や使用感の良さなど、さまざまな目的に合わせた成分を添加して、化粧品のクオリティを高めているのです。


品質安定や使用感の良さなど、さまざまな目的に合わせた成分を添加して、化粧品のクオリティを高めているのです。

中には、それらの成分が肌に合わない方もいらっしゃるのですが、だからといって「添加物=絶対的悪」というわけではありません。


成分へのアレルギー反応は人それぞれで、食品アレルギーと同じようなもの。

たとえば、小麦や蕎麦は大多数の人にとって、おいしく体に良い食材ですが、ごく稀にアレルギー反応が出る人がいるため、国から表示義務のある「特定原材料」に指定されています。小麦や蕎麦がみんなにとって危険ではないように、旧指定成分もみんなに危険な成分とは限らないのです。


アレルギー反応は人それぞれ

防腐剤として有名な「パラベン」も、実はアレルギーを起こすケースはごく稀。今ではすっかり悪いイメージが定着して「パラベンフリー」が好まれる傾向にありますが、実際はとても優れた、安全性の高い保存料です。


重要なのは、使用する量です。

塩や糖分を摂りすぎると体に悪いように、どんなに良い成分でも過剰な量になれば体に負担になってしまいます。現に旧指定成分も、化粧品に配合されるくらいの少量なら影響が出ないケースがほとんどです。


正しく使われていれば、そんなに怖がる必要はありません。こうして見ると、添加物へのイメージが変わってくるのではないでしょうか。




誤解の多い点が、もう一つ。

実は「無添加化粧品」と言っても、法律で義務付けられていたわずか103種類の「旧指定成分」が入っていないというだけで、それ以外に有害な添加物が入っている可能性はあります。


化粧品に使われる化学成分は、2500種類とも3000種類とも言われています。そのうちの103種類だけが有害ということは言い切れないにも関わらず、それさえ入っていなければ「無添加」を名乗れるのです。


「無添加って書いてあるから安心!」と考えるのは、ちょっと早いかも知れません。

本当に大切なのは、自分にとって問題のある成分が添加されていないことなのです。



ここでさらに気をつけたいのが、「天然」というキーワード。

この言葉に、自然で体にやさしいイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。


しかし実際は、天然の成分にも肌への刺激の強いものは数多くあります。




たとえば、アロマオイルの材料にも使われる「精油(エッセンシャルオイル)」。無添加をうたう化粧品の中には、香料や防腐剤として使用しているものもあります。自然の植物成分がぎゅっと濃縮された、純度100%の「天然」ですが、成分が強すぎて肌へ刺激を与えてしまうため、肌質によってはかゆみやかぶれが現れる人もいるのです。


また柑橘系のものには「光毒性」があり、肌につけたまま日光にあたると、シミなどのトラブルを引き起こす危険もあります。




前述で食品アレルギーの話をしたように、強い天然成分が体質に合わないことも考えられます。パイナップルや山芋を調理して手がかゆくなったり、食べて唇や喉がイガイガする方も、いらっしゃるのではないでしょうか。


天然・自然な素材も、強いパワーを持つ分その品質や取り扱い方法にはしっかり注意が必要です。ですから、安易に「天然だから安心」と思うのではなく、本当にそれが自分の肌に合うものかどうか、品質は確かなものか、分量はどのくらい使われているのか、しっかり確認しましょう。




表示指定成分の制度は、2001年に廃止され、化粧品への全成分表記が義務化されました。

それまでは、表示指定成分以外は何が入っているのか分からない化粧品も多かったのですが、前述の通り、人によってアレルギーとなる成分は実にさまざま。表示指定成分だけに限りません。


全成分が表示されるようになったことで、本当に自分に合うもの・合わないものを判断できるようになりました。ぜひ一度、パッケージの裏面や容器をチェックしてみてください。




専門的な成分名や、難しいカタカナ用語を読み解くのはなかなか難しいですが、本当に安心して化粧品を選びたいのであれば、購入者一人ひとりが、自分の体に合わせて成分を判断するのが一番です。


何が自分に合うのかどうか分からない人は、新しい化粧品を試す前にパッチテストをして、自分のお肌の様子を確認しましょう。やり方がわからない、難しいという方は、皮膚科でもテストしてくれるところはあります。肌が弱く荒れやすい人は、試してみてはいかがでしょうか。




また、季節や体調によっても反応が変わることはあります。

いつも使っている化粧品が今日は沁みる!というときは、無理せず処方のシンプルな化粧品に切り替えるなど、臨機応変に対応してみてくださいね。



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いつになく見慣れない用語の多い記事を、最後までお読みいただきありがとうございます。

化粧品の全成分表示が義務付けられて20年近く経つのに、いまだに化粧品の良し悪しを「無添加」や「天然」といった宣伝文句だけで判断するのは、とてももったいないと思います。


これからは、やみくもに添加物はダメ!と決め込んだり、イメージの良い言葉に振り回されたりせず、本当に自分に合う化粧品を選べるようになりたいですね。




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